【衆院選2024】広島の立候補者へのアンケート結果を分析!

【衆院選2024】広島の立候補者へのアンケート結果を分析!

10月15日から27日の投開票にかけて行われた衆議院議員選挙。誰がどういう立候補者なのか全員をチェックするのが大変だったという人も多かったのではないでしょうか。

Youth Vote! HIROSHIMAでは、衆議院議員選挙の立候補者に、今回の選挙の争点や、力を入れている政策などについてアンケート調査を実施しました。

この記事では、立候補者たちがどのような意識を持っているのかを統計的に分析してまとめています。
今回の選挙でどんな立候補者がいたのかを俯瞰的に見る機会としてぜひ読んでみてください!

衆議院議員選挙2024 広島立候補者アンケート調査概要

まず、今回実施したアンケートについて簡単にご説明します。

アンケート項目

今回のアンケート調査では、下記の項目について質問しました。

  • 1.最大の争点
  • 2.上記以外の争点
  • 3.政策分野
  • 4.出馬へのきっかけ
  • 5.衆議院議員選挙の理由
  • 6.意気込み
  • 7.10代・20代に一言
  • 8.SNS

詳細については下記のリリースをご覧ください。
2024年衆議院議員選挙の立候補者にアンケートを実施しました

実施方法

本アンケート調査の調査期間、10月12日から10月20日の期間でした。

なお、1名の立候補者より、この期間内に回答とともに、一部設問への回答については後日回答させてほしいとの旨が通達されたため、24日に該当設問の回答を受け取りました。

当該回答については、その旨を明記したうえでSNS及びWeb上に公開し、Web上の情報については回答を受け取った後に、この旨を明記したうえで回答を追加しています。

調査に関しては、下記の連絡手段を用いて各立候補者に対して回答を依頼しました。

  • FAX
  • メール
  • SNSダイレクトメッセージ

選挙管理委員会の公開資料及び各立候補者の発信から上記の連絡先を収集し、FAX及びメールの両方、もしくは確認できたどちらか一方にて調査協力を依頼しました。

FAX及びメールアドレスが入手できなかった場合には、FacebookをはじめとするSNSのダイレクトメッセージにて、GoogleフォームのURLと共に調査協力を依頼する形で実施しています。

なお、報道などを通じてYouth Vote! HIROSHIMAが立候補の意向を把握した段階で、10月12日以降に順次回答依頼を行っているため、回答依頼から回答期限までの日数は立候補者によって異なる状況でした。

各立候補者には下記の手段での回答を求めました。

  • FAX
  • メール
  • SNSダイレクトメッセージ
  • Googleフォーム

対象者

今回のアンケート調査は、広島県内での選挙が行われた下記の選挙区にて実施いたしました。

  • 広島1区
  • 広島2区
  • 広島3区
  • 広島4区
  • 広島5区
  • 広島6区

なお、各選挙区における立候補者数及び各立候補者の回答内容については下記の記事をご覧ください。
衆院選2024の広島県内の候補者って誰?選挙情報まとめ【衆議院議員選挙】

13人の立候補者から回答をいただきました

今回のアンケート調査実施にあたり、全選挙区で合計13人の立候補者の方に回答をいただきました。回答いただいたみなさまには大変感謝申し上げます。

回答者について

今回の調査における回答者の内訳について簡単にまとめていきます。なお、表内のテキストリンクより、各選挙及び選挙区の回答記事をご覧になれます。

各選挙区における回答数は下記の通りです。

小選挙区 立候補者数 回答者数 回答率
広島1区 5 3 60.00%
広島2区 4 2 50.00%
広島3区 4 2 50.00%
広島4区 2 1 50.00%
広島5区 3 3 100.00%
広島6区 3 2 66.67%
合計 21 13 61.90%

回答の分析方針及び設問設定意図について

回答の分析方針及び設問の設定意図についてご説明します。

回答の分析方針

回答結果の分析については、下記の手順で実施しました。

  1. 回答の集計
  2. 各項目を、類似項をまとめて分類
  3. 分類の回答数及び割合を算出
  4. 回答数1の項目は「その他」に統合

事前に分類項目を用意する形ではなく、類似項をまとめる形としています。
そのため、他の団体などによる調査では用意されているであろう回答分類がない、あるいは各分類の粒度には若干のばらつきがございます。

なお、分類において極力主観を排除するため、複数名での妥当性の確認を行いました。

なお、1つの回答に複数分類の要素がある場合には、その回答を複数分類に該当するものとして処理をしているため、分析結果の総数と回答総数は一致しない場合がございます。

設問設定意図について

各設問は原則として記述式での回答を依頼しております。理由としては、選択肢に縛られず柔軟な回答を求めるということが第一としたためです。

選択式にすることによって、回答者の考えとは異なる回答に誘導することの無いようにとの配慮から、記述式での調査とした。

衆院選2024広島の立候補者アンケート結果を分析

今回のアンケート調査の結果を分析していきます。該当項目は下記の通りです。

  1. 最大の争点
  2. その他の争点
  3. 争点の合算
  4. 政策分野
  5. 出馬へのきっかけ
  6. 衆議院議員選挙の理由
  7. SNS

なお、立候補者全体で何を争点と捉えていたを可視化するため、「1.最大の争点」「2.その他の争点」を合算した内容についても「争点の合算」として合わせて分析しています。

1.最大の争点

各立候補者に、今回の選挙での最大の争点は何と捉えているかを質問しました。

設問は「今回の選挙において、最大の争点(有権者から注目されているポイント)は何だとお考えですか?」という文であり、回答は自由記述形式でした。

集計結果

回答内容に応じて類似項をまとめた分類項目は下記の通りです。

  • 経済
  • 政治とカネ
  • その他

それぞれの回答数と割合をまとめたのが下記の表になります。

分類 件数 割合
政治とカネ 7 50.00%
経済 6 42.86%
その他 3 21.43%

この表を円グラフに示したのが下記のグラフになります。
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衆院選2024の立候補者が回答したこの選挙の最大の争点を示す円グラフ

集計結果について

立候補者のおよそ4割がそれぞれ「政治とカネ」もしくは「経済」について、最大の争点として挙げました。

「政治とカネ」に関する回答では、自民党の裏金問題を取り上げる立候補者が多く見受けられる結果でした。

また「経済」については、物価高騰への対策などにより国民がより安心に暮らせるような経済政策について回答する立候補者が多く見受けられました。

2.その他の争点

各立候補者に最大の争点としてあげたもの以外に何を争点と考えているのかについて質問しました。

設問は「今回の選挙において、上記(1.最大の争点)以外でどんな点が有権者から注目されているとお考えですか?」という文であり、回答は自由記述形式でした。

集計結果

回答内容に応じて類似項をまとめた分類項目は下記の通りです。

  • 経済
  • 政治とカネ
  • 医療
  • 年金
  • 軍拡・平和
  • 子育て
  • 社会保障
  • その他

それぞれの回答数と割合をまとめたのが下記の表になります。

分類 件数 割合
経済 5 35.71%
政治とカネ 4 28.57%
子育て 3 21.43%
その他 3 21.43%
医療 2 14.29%
年金 2 14.29%
軍拡・平和 2 14.29%
社会保障 2 14.29%

この表を円グラフに示したのが下記のグラフになります。
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衆院選2024の立候補者が回答したこの選挙のその他の争点を示す円グラフ

集計結果について

全体では「経済」「政治とカネ」「子育て」などについて争点として挙げた立候補者が多く、前項の最大の争点に関する質問と類似した意見が多く見受けられました。

3.争点の合算

今回の選挙において各立候補者が重視する内容をより可視化するため、質問1の「最大の争点」および質問2の「その他の争点」について合算して分析いたしました。

集計結果

回答内容に応じて類似項をまとめた分類項目は下記の通りです。

  • 経済
  • 政治とカネ
  • 医療
  • 年金
  • 軍拡・平和
  • 子育て
  • 社会保障
  • その他

それぞれの回答数と割合をまとめたのが下記の表になります。

分類 件数 割合
政治とカネ 11 78.57%
経済 10 71.43%
その他 5 35.71%
子育て 3 21.43%
医療 2 14.29%
年金 2 14.29%
軍拡・平和 2 14.29%
社会保障 2 14.29%

この表を円グラフに示したのが下記のグラフになります。
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衆院選2024の立候補者が回答したこの選挙の合算した争点を示す円グラフ

集計結果について

全体で「政治とカネ」「経済」に関する回答が半数以上を占めていることが結果から読み取れます。

争点について尋ねた2つの設問において、一方の設問で「政治とカネ」に関する回答を、もう一方で「経済」に関する回答をした立候補者が、13名中9名と多く見受けられました。

4.政策分野

各立候補者が力を入れている政策分野について質問しました。

設問は「あなたはどのような政策分野に力を入れていらっしゃいますか?1~3 点ほど教えて頂ければ幸いです。」という文であり、回答は自由記述形式でした。

集計結果

回答内容に応じて類似項をまとめた分類項目は下記の通りです。

  • 経済
  • 社会保障
  • 選挙・政治改革
  • 軍拡・平和
  • エネルギー政策
  • 食料対策
  • 子育て
  • 外交
  • 地方創生
  • その他

それぞれの回答数と割合をまとめたのが下記の表になります。

分類 件数 割合
経済 7 50.00%
社会保障 7 50.00%
選挙・政治改革 5 35.71%
軍拡・平和 4 28.57%
エネルギー政策 3 21.43%
食料対策 3 21.43%
その他 3 21.43%
子育て 2 14.29%
外交 1 7.14%
地方創生 1 7.14%

この表を円グラフに示したのが下記のグラフになります。
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衆院選2024の立候補者が回答した力を入れている政策分野を示す円グラフ

集計結果について

全体では「経済」もしくは「社会保障」に注力していると回答した立候補者がそれぞれ2割近くに上りました。

特に「経済」は「物価高騰」や「賃金上昇」について言及している立候補者が多く、物価高騰に伴う消費控えの政策が多い印象でした。

また同時に実施した10代・20代有権者に対する投票意識調査でも、当選した立候補者に「税制改革・賃金上昇」「経済政策」を望む声が多く挙げられており、立候補者側が力を入れている政策と有権者側の望むことについて認識が一致していたのではないかと考えられます。

有権者に対する投票意識調査については下記の記事をご覧ください。
【衆院選2024】広島の10代20代の若い世代の投票意識をアンケート調査

5.出馬へのきっかけ

各立候補者が今回の選挙で出馬した理由について質問しました。

設問は「立候補に至ったきっかけを教えてください。」という文であり、回答は自由記述形式でした。

集計結果

回答内容に応じて類似項をまとめた分類項目は下記の通りです。

  • 政党としての考え
  • 今の政治を変えたい
  • 実現したい社会目標がある
  • 幼少期からの夢・家庭環境
  • その他

それぞれの回答数と割合をまとめたのが下記の表になります。

分類 件数 割合
政党としての考え 3 21.43%
その他 3 21.43%
今の政治を変えたい 3 21.43%
実現したい社会目標がある 3 21.43%
幼少期からの夢・家庭環境 2 14.29%

この表を円グラフに示したのが下記のグラフになります。
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衆院選2024の立候補者が回答した出馬のきっかけを示す円グラフ

集計結果について

全体として見ると、特に傾向はなく立候補者によって様々であることが読み取れます。

特に「実現したい社会目標がある」とした回答内容では、「国民が安心して生活出来る社会の実現」や「テクノロジーの社会実装で多様でフェアな社会を実現したいという思いから。」など立候補者によって異なる社会実現の形が述べられていました。

6.衆議院議員選挙の理由

各立候補者が他の選挙ではなく衆議院議員選挙を選んだ理由について質問しました。

設問は「他の選挙ではなく衆議院議員選挙を選ばれた理由を教えてください。」という文であり、回答は自由記述形式でした。

集計結果

回答内容に応じて類似項をまとめた分類項目は下記の通りです。

  • 国政の領域で仕事がしたい
  • 政党としての考え
  • 現行の選挙制度を問題視
  • 毎回同じ人が当選するから
  • 国政選挙に出たい
  • 地方の声を国政に届けたい

それぞれの回答数と割合をまとめたのが下記の表になります。

分類 件数 割合
国政の領域で仕事がしたい 7 50.00%
政党としての考え 2 14.29%
現行の選挙制度を問題視 2 14.29%
毎回同じ人が当選するから 1 7.14%
国政選挙に出たい 1 7.14%
地方の声を国政に届けたい 1 7.14%

この表を円グラフに示したのが下記のグラフになります。
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衆院選2024の立候補者が回答した衆院選に出馬した理由を示す円グラフ

集計結果について

全体として立候補者の半数が「国政の領域で仕事がしたい」という旨の回答がありました。

内容としては、「税制や外交に関われる」や「経済政策や社会保障などの改革は国会でないとできない」など政策分野などは様々でしたが、共通して政治家としてやりたい仕事が国会議員の仕事であるからというものでした。

また、近い内容として、国会議員となって地方の声を国政に届け、反映したいという回答もありました。

7.SNS

立候補者が活用しているSNSについて質問しました。

設問は「SNSアカウントがございましたら、ご使用のSNS名およびID(URL)をご記入ください。Webでの結果公開時に併記させて頂きます。」という文であり、回答は自由記述形式でした。

集計結果

回答された媒体は下記の通りです。

  • X(旧Twitter)
  • Facebook
  • Web
  • Instagram
  • YouTube
  • 公式LINE

それぞれの回答数と割合をまとめたのが下記の表になります。

分類 件数 割合
X(旧Twitter) 6 42.86%
Facebook 3 21.43%
Web 2 14.29%
Instagram 2 14.29%
YouTube 1 7.14%
公式LINE 1 7.14%

この表を棒グラフに示したのが下記のグラフになります。
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衆院選2024の立候補者が回答した活用しているSNSを示す棒グラフ

調査結果(Youth Vote! HIROSHIMA調べ)

また、SNSの活用状況については、回答者のみならず広島県内の全立候補者のSNS活用状況をYouth Vote! HIROSHIMAで調査いたしました。

調査により各立候補者が活用していることを確認できた媒体は下記のとおりです。

  • X(旧Twitter)
  • Facebook
  • Web
  • Instagram
  • YouTube
  • 公式LINE
  • Threads
  • TikTok

なお、Youth Vote! HIROSHIMAにて独自に調査したものになるため、この他にも確認できていない物がある可能性がございます。

各立候補者が使用している各媒体の件数と割合をまとめたのが下記の表です。

分類 件数 割合
X(旧Twitter) 18 24.32%
Facebook 15 20.27%
Web 14 18.92%
Instagram 12 16.22%
YouTube 8 10.81%
公式LINE 6 8.11%
TikTok 1 1.35%
Threads 0 0.00%

この表を棒グラフに示したのが下記のグラフになります。
クリックもしくはタップで拡大できます。

衆院選2024でYouth Vote! HIROSHIMAが独自に調査した全立候補者で活用されたSNSを示す棒グラフ

集計結果について

アンケート回答で一番多かったのは、X(旧Twitter)という結果になりました。

またYouth Vote! HIROSHIMAにて調査した結果では、「X(旧Twitter)」が比較的多い結果となっています。
この結果を見るとWebと同等以上にSNSを利用している立候補者が多くなりました。加えて、YouTubeの利用者も21名中8名となっています。

これらの結果を見ると、広島の選挙においてもSNSの活用が進んでおり、また動画媒体の活用も始まりつつあるのではないでしょうか。

立候補者目線での国の課題や選挙の争点が明確に!

衆議院議員選挙2024での立候補者アンケートの結果、立候補者が有権者の意識をどのように想定しているのかが浮き彫りになりました。

また、「10代、20代への一言」と立候補者に質問したところ、立候補者からは「政治に参加することで政策を形作れる確信をともに共有しましょう。」「私たちの未来に、ぜひ関心を持って、候補者の声を聞き、投票に行ってください。」「政治に参加することで政策を形作れる確信をともに共有しましょう。」など政治参画・投票にぜひいてほしいという旨のメッセージを多くいただきました。

今回の分析結果を見て、立候補者や議員は普段どのような政策を考えているのかについて知る一助になれば幸いです。

最後になりましたが、今回の調査において回答に協力してくださった立候補者の方およびご協力いただきましたみなさまには重ねてお礼申し上げます。

【報道・メディア様へ】データの利用について

Youth Vote! HIROSHIMAでは、若年層の政治・選挙への関心及び投票率向上に向けて活動しております。

これらの目的に則し、かつ公序良俗に反しない用途での利用の為に回答データをご希望の際は、一覧化した回答データの提供依頼を受け付けております。

ご希望の場合はコンタクトフォームより用途・所属がわかる形でのご連絡を頂ければ幸いです。

この記事を書いた人

高橋辰昂

広島県広島市出身。 現在は東京でエンジニアとして勤務。 小学生時代に政治に興味を持ち、大学在学中に議員インターンシップを知り、参加・運営を経験する。 メディア運営に興味を持ち、地元広島の役に立ちたいという思いから当メディアを設立。
著者情報ページ

この記事を書いた人

高橋辰昂

広島県広島市出身。 現在は東京でエンジニアとして勤務。 小学生時代に政治に興味を持ち、大学在学中に議員インターンシップを知り、参加・運営を経験する。 メディア運営に興味を持ち、地元広島の役に立ちたいという思いから当メディアを設立。
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