3月から始まった統一地方選挙2023も先日ついに全日程が終了しました。皆さんは投票に行きましたか?
Youth Vote! HIROSHIMAでは、広島で行われた統一地方選挙について、10代・20代の有権者がどんな思いで投票に行ったのかをアンケート調査しました。
目次
統一地方選挙広島有権者アンケート調査概要
まず、今回実施したアンケートについて簡単にご説明します。
アンケート項目
今回のアンケート調査では、以下の項目について質問しました。
詳細については以下のリリースをご覧ください。
2023年統一地方選挙に際し若年有権者を対象にアンケートを実施しました
実施方法
本アンケートは、4月1日から4月25日の25日間で実施しました。
調査方法については、以下の手段を用いて実施しております。
なお、出口調査については期日前投票所および当日投票所にて複数回実施をしております。実施にあたり、以下の各地域管轄の選挙管理委員会(敬称略)による許可・指導の下で調査を行っております。
対象者
統一地方選挙2023において、広島県内に在住もしくは選挙権を有している18~32歳の有権者を調査対象としました。
165人の広島の有権者から回答をいただきました
今回のアンケート調査実施にあたり、合計165人の有権者の方にご協力いただきました。誠に感謝申し上げます。
今回のアンケート調査の回答者について、以下の3点から簡単に回答の内訳をまとめます。
回答者の年齢別割合
年齢については、以下の選択肢から選択式での回答を依頼しました。
回答結果は以下の通りです。
年齢層 | 回答数 | 割合 |
---|---|---|
18歳未満 | 0 | 0% |
18~22歳 | 82 | 49.7% |
23~27歳 | 54 | 32.7% |
28~32歳 | 13 | 7.9% |
33~37歳 | 7 | 4.2% |
38歳以上 | 9 | 5.5% |
広島県内に選挙権を有しているか
「投票先の自治体はどこですか?」という設問に対して、以下の2択からの選択式で回答いただきました。
回答内容としては、回答者全員が広島県内に選挙権を有しているとの結果となりました。
今回の統一地方選挙での投票の有無
「今回の統一地方選挙で投票しましたか?」という設問に対して、以下の2択から選択式での回答をいただきました。
回答結果は以下の通りです。
投票の有無 | 回答数 | 割合 |
---|---|---|
した | 154 | 93.3% |
していない | 11 | 6.7% |
どの選挙に投票したのか
「今回、どの選挙に投票しましたか?」という設問に対して、以下の選択肢から複数回答可として回答をいただきました。なお、いわゆる後半戦にあたる4月23日投開票の市町村議会議員及び首長選挙の開始前から同一の項目を使用しているため、無投票となった選挙も選択肢に含まれております。
回答結果は以下の通りです。なお、回答数が0であった選択肢については省かせて頂いております。
投票した選挙 | 回答数 |
---|---|
広島県議会議員 | 45 |
広島市議会議員 | 8 |
広島市長 | 8 |
東広島市議会議員 | 143 |
主に東広島市議会議員選挙での出口調査における回答が多いため、結果に偏りが生じています。
回答の分析方針及び設問設定意図について
回答結果の分析については、以下の手順で実施しております。
事前に分類項目を用意するのではなく、類似項をまとめる形としております。そのため、従来の意識調査では用意されているであろう回答分類がない、あるいは各分類の粒度には若干のばらつきがございます。
なお、分類において極力主観を排除するため、複数名での妥当性の確認を行いました。
また、各設問は原則として記述式での回答を依頼しております。この設問設定意図としましては、選択肢に縛られず柔軟な回答を求めるということが第一となっています。
選択式にすることによって、回答者の考えとは異なる回答に誘導することの無いようにとの配慮から、記述式での調査となりました。
なお、1つの回答に複数分類の要素がある場合には、その回答を複数分類に該当するものとして処理をしているため、分析結果の総数と回答総数は一致しない場合がございます。
統一地方選2023広島の有権者アンケート結果を分析
今回のアンケート調査の結果を分析していきます。該当項目は以下の通りです。
3-1-2.投票に至ったきっかけ
今回の統一地方選挙で投票を行ったと回答した人に対して、なぜ投票しようと思ったのかを質問しました。
設問は「今回、選挙で投票しようと思ったきっかけはなんですか?」という文であり、回答は自由記述形式でした。
集計結果
回答内容に応じて類似項をまとめた分類項目は以下の通りです。
それぞれの回答数と割合をまとめたのが以下の表になります。
分類 | 総数(件) | 総数(%) | 18~32歳(件) | 18~32歳(%) |
---|---|---|---|---|
選挙権を行使するため | 50 | 32.05% | 46 | 32.86% |
特定候補者に投票したかった | 22 | 14.10% | 16 | 11.43% |
まち(政治)をよくしたい | 15 | 9.62% | 12 | 8.57% |
特になし | 14 | 8.97% | 14 | 10.00% |
誰かに勧められた | 12 | 7.69% | 10 | 7.14% |
投票券が届いたから | 10 | 6.41% | 10 | 7.14% |
その他 | 8 | 5.13% | 7 | 5.00% |
若い世代の投票が必要と感じた | 6 | 3.85% | 6 | 4.29% |
18歳になったから | 5 | 3.21% | 5 | 3.57% |
選挙カー・広報物を見て | 5 | 3.21% | 5 | 3.57% |
政治不安・政治関心 | 5 | 3.21% | 5 | 3.57% |
投票率を上げるため | 4 | 2.56% | 4 | 2.86% |
この表を円グラフに示したのが以下のグラフになります。
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集計結果について
「選挙に行くのは当たり前」「権利があるから」「義務だと思っている」といった、選挙権を行使するために投票に行ったという回答が多く見られました。
また、これ以降の項目にも重なる点として、知人が立候補する(あるいは立候補者の中に知人を見つけた)ことをきっかけに投票に行く人が多いという印象を受けました。
その他、友人や親が投票に行く際についてきた、あるいは親や学生時代の教師などに投票に行くよう勧められたという回答も多く見られました。
選挙カーなどについては世間一般で批判的な声も多い一方で、それによって選挙が行われていることを認知し投票に来たという人も見受けられ、テレビや新聞といった媒体を離れ、自身にターゲティングされたWeb・SNS媒体が主体となってきた中で、受動的に選挙などの情報を受け取る機会が減っている故に効果を発揮している可能性も感じた結果でした。
3-1-3.候補者選定の基準
今回の統一地方選挙で投票を行ったと回答した人に対して、どのような基準で投票先を選定したのかを質問しました。
設問は「投票の際、候補者を選んだポイントは何ですか?」という文であり、回答は自由記述形式でした。
集計結果
回答内容に応じて類似項をまとめた分類項目は以下の通りです。
それぞれの回答数と割合をまとめたのが以下の表になります。
分類 | 総数(件) | 総数(%) | 18~32歳(件) | 18~32歳(%) |
---|---|---|---|---|
知人・支持している | 26 | 15.95% | 22 | 15.17% |
公約 | 21 | 12.88% | 20 | 13.79% |
若い世代を見ている | 20 | 12.27% | 18 | 12.41% |
年齢 | 13 | 7.98% | 12 | 8.28% |
会ったこと・見たことがある | 12 | 7.36% | 12 | 8.28% |
子育て | 11 | 6.75% | 9 | 6.21% |
支持基盤・政党など | 10 | 6.13% | 8 | 5.52% |
考えが近い | 8 | 4.91% | 7 | 4.83% |
人柄 | 8 | 4.91% | 7 | 4.83% |
実績・実行力 | 6 | 3.68% | 4 | 2.76% |
性別 | 6 | 3.68% | 6 | 4.14% |
その他 | 5 | 3.07% | 4 | 2.76% |
属性が近い | 5 | 3.07% | 4 | 2.76% |
特になし | 5 | 3.07% | 5 | 3.45% |
教育 | 3 | 1.84% | 3 | 2.07% |
情報の得やすさ | 2 | 1.23% | 2 | 1.38% |
新しさ | 2 | 1.23% | 2 | 1.38% |
この表を円グラフに示したのが以下のグラフになります。
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集計結果について
知人やお世話になった人が出馬していてその人に投票する、という回答が多く見られました。また、「会ったことがある・見たことがある」には選挙活動をしている処に出会ったという回答も含まれており、接触頻度は重要視される傾向にあるように思われます。
教育や子育て、若者に対する公約や実績、姿勢に加えて候補者の年齢を意識するという声も多く、若者に目を向ける候補者の数が投票意識にも結び付きうるのではないかと考えられます。
3-1-4.投票した候補者に望むこと
今回の統一地方選挙で投票を行ったと回答した人に対して、投票した候補者が当選した場合に、政治家として何を望むかを質問しました。
設問は「もし、その議員が当選したら、どんなことを望みますか?」という文であり、回答は自由記述形式でした。
集計結果
回答内容に応じて類似項をまとめた分類項目は以下の通りです。
それぞれの回答数と割合をまとめたのが以下の表になります。
分類 | 総数(件) | 総数(%) | 18~32歳(件) | 18~32歳(%) |
---|---|---|---|---|
市民への還元 | 29 | 23.39% | 27 | 23.89% |
若者政策 | 22 | 17.74% | 21 | 18.58% |
公約順守 | 21 | 16.94% | 19 | 16.81% |
子育て政策 | 15 | 12.10% | 13 | 11.50% |
特になし | 9 | 7.26% | 8 | 7.08% |
その他 | 6 | 4.84% | 6 | 5.31% |
地域活性化 | 6 | 4.84% | 4 | 3.54% |
改革 | 6 | 4.84% | 6 | 5.31% |
教育政策 | 4 | 3.23% | 4 | 3.54% |
労働政策 | 2 | 1.61% | 1 | 0.88% |
税金関連 | 2 | 1.61% | 2 | 1.77% |
女性支援 | 2 | 1.61% | 2 | 1.77% |
この表を円グラフに示したのが以下のグラフになります。
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集計結果について
最も該当の多い「市民への還元」分類には、「東広島市をもっと住みやすくしてほしい」「市民のことを考えて活動してほしい」といった主旨の回答をまとめております。
若者や子育て、教育に関する活動を求める声が多かったためこれらを細分化しており、公約の順守を求める人の中にも、投票基準としてこれらを公約に掲げていることを上げている人が見受けられました。
また、前項で若い候補者を選んだという人の中にも、若者世代に目を向けてほしいという声と、議会や政治を改革していってほしいという回答の2種類が見受けられました。
3-2.投票しなかった理由
今回の統一地方選挙で投票しなかったと回答した人に対して、投票しなかった理由を質問しました。
設問は「投票に行かなかった、もしくは行けなかった理由を教えてください。」という文であり、回答は自由記述形式でした。
集計結果
回答内容に応じて類似項をまとめた分類項目は以下の通りです。
それぞれの回答数と割合をまとめたのが以下の表になります。
分類 | 総数(件) | 総数(%) | 18~32歳(件) | 18~32歳(%) |
---|---|---|---|---|
忙しかった | 4 | 40.00% | 4 | 40.00% |
住民票の場所が違った | 3 | 30.00% | 3 | 30.00% |
その他 | 1 | 10.00% | 1 | 10.00% |
面倒だった | 1 | 10.00% | 1 | 10.00% |
意義を感じない | 1 | 10.00% | 1 | 10.00% |
この表を円グラフに示したのが以下のグラフになります。
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集計結果について
今回の調査では、投票に行くきっかけなど主に投票をした層を対象としていたため、大前提として投票していない母数は少なくなっています。
その中で、住民票を移していない学生や、投票しても何も変わらないと投票の意義を感じないといった回答も見受けられました。
4-1.過去の投票回数
今回の統一地方選挙で投票したと回答した人に対して、過去にどのくらい投票した経験があるかを質問しました。
設問は「過去に議員や首長など公職の選挙で投票をしたことはありますか?(今回の選挙を除く)」という文であり、回答は「はい」もしくは「いいえ」の選択式でした。
集計結果
「はい」「いいえ」それぞれの回答数と割合は以下の通りです。
回答 | 総数(件) | 総数(%) | 18~32歳(件) | 18~32歳(%) |
---|---|---|---|---|
はい | 123 | 82.55% | 110 | 82.71% |
いいえ | 26 | 17.45% | 23 | 17.29% |
この表を円グラフに示したのが以下のグラフになります。
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集計結果について
回答者のうち約17%が今回初めて投票をしたという結果になりました。
4-1.過去の投票回数
過去に投票をしたことがあると回答した人に対して、何回程度の投票経験があるかを質問しました。
設問は「”はい”と回答した方にお聞きします。過去に何回選挙で投票したことがありますか?」という文であり、回答は半角数字を入力する形式でした。
集計結果
集計結果については以下の表のとおりです。
回数 | 総数(件) | 総数(%) | 18~32歳(件) | 18~32歳(%) |
---|---|---|---|---|
1 | 21 | 18.42% | 21 | 20.00% |
2 | 24 | 21.05% | 24 | 22.86% |
3 | 25 | 21.93% | 24 | 22.86% |
4 | 13 | 11.40% | 13 | 12.38% |
5 | 17 | 14.91% | 16 | 15.24% |
6 | 1 | 0.88% | 1 | 0.95% |
7 | 1 | 0.88% | 1 | 0.95% |
8 | 4 | 3.51% | 2 | 1.90% |
10 | 4 | 3.51% | 1 | 0.95% |
15 | 1 | 0.88% | 0 | 0.00% |
30 | 1 | 0.88% | 0 | 0.00% |
毎回 | 2 | 1.75% | 2 | 1.90% |
この表の内容を視覚的に示したのが以下のグラフになります。
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集計結果について
前提として、多くの回答者が詳細に回数を記憶しておらず概数での回答となっています。
また、出口調査など紙面での回答の際には、枠外に「選挙権を得てから毎回」のように添えていたり、回数を「毎」回と記入している場合もありました。
4-2.投票経験なしの理由
過去に投票をしたことがないと回答した人に対して、その理由を質問しました。
設問は「過去に投票に行かなかった、もしくは行けなかった理由を教えてください。」という文であり、回答は自由記述形式でした。
集計結果
回答内容に応じて類似項をまとめた分類項目は以下の通りです。
それぞれの回答数と割合をまとめたのが以下の表になります。
分類 | 総数(件) | 総数(%) | 18~32歳(件) | 18~32歳(%) |
---|---|---|---|---|
選挙権がなかった | 8 | 40.00% | 8 | 47.06% |
忙しかった | 6 | 30.00% | 4 | 23.53% |
関心がなかった | 4 | 20.00% | 4 | 23.53% |
その他 | 1 | 5.00% | 1 | 5.88% |
特になし | 1 | 5.00% | 0 | 0.00% |
この表を円グラフに示したのが以下のグラフになります。
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集計結果について
過去に投票経験がない理由として、投票権がなかったからという回答が最も多く得られました。昨年7月に衆議院議員選挙があったことから、今回の回答者における18歳の割合を見る1つの指標と捉えられます。無回答などもあったため、厳密な数字とは言えない事はご了承ください。
また、これまでは関心がなかったものの、今回は投票に行ったという回答も得られました。関心がなかったと回答した中でも、投票のきっかけとして知人の出馬や政治に対する不安のほか、政治に関心を持とうと思ったなどの回答が得られています。
広島の若い有権者の声を政治に!
この度のアンケートでは、若い有権者がどのような考えで投票をしているのかを調査しました。
ぜひ、これらの回答を参考に同世代がどのような意図で投票に行っているのかという理由に触れ、投票に行こうかなと思ってもらえたら嬉しいです!
また、現職の政治家の方や選挙に立候補予定の方につきましても、若い世代が何を求めているのかを知る一助にしていただければ幸いに存じます。
最後になりましたが、今回の調査において回答に協力してくださったみなさま、各地域の選挙管理委員会をはじめとする調査実施にご協力いただきましたみなさまにお礼申し上げます。
【報道・メディア様へ】データの利用について
Youth Vote! HIROSHIMAでは、若年層の政治・選挙への関心及び投票率向上に向けて活動しております。
これらの目的に則し、かつ公序良俗に反しない用途での利用の為に回答データをご希望の際は、個人がわからない形にした回答データの公開を受け付けております。
ご希望の場合はコンタクトフォームより用途・所属がわかる形でのご連絡を頂ければ幸いです。引用元明記かつ上記条件に則したご利用については歓迎させて頂いております。
なお、本件につきましては、調査実施の旨を3月22日に県政記者クラブ及び広島市市政記者クラブ・東広島市役所記者室にプレスリリースを投函させて頂きました。また結果(当ページ)の公開についても、5月初頭に同箇所へのプレスリリース投函を予定させて頂いております。