【広島市東区】柿本忠則県議 – 身近で声をかけやすい議員に

【広島市東区】柿本忠則県議 - 身近で声をかけやすい議員に

今回は、広島県議会の柿本忠則議員にインタビュー。

議員になる前のお話から、エキキタを含めたこれからの東区に対する展望など、未来の広島が楽しみになるようなお話を聞かせて頂きました。

柿本 忠則

1982年、尾道市生まれ。如水館高等学校卒業後、JR西日本に入社、その後2019年の統一地方選挙にて広島市東区選出として立候補後、当選。防災士の資格などを持つ。取材当時、広島県議会議員2期目。

会社員時代には色々なことにチャレンジし続けてきた

会社員時代には色々なことにチャレンジし続けてきた
会社員時代には、向上心や調整力、なんでも疑問にもつ姿勢が身に付いたと思っています。

というのも、JR西日本に入社してからは、多くの職務を経験しました。

駅員や在来線の車掌、新幹線の運転士を経て間接部門に社内留学みたいな形で事務仕事を行う部署に行ったり、東京指令所での新幹線の運行管理や秘書、さらには新幹線の魅力づくりを行う部署など様々なことに携わらせてもらいましたね。

同じ部署で経験を積むことも大切です。ただ、自分の場合は、せっかく幅広い業種、業体があるJR西日本に入社したのだから様々な角度や視点をもつために、いろんなことにチャレンジしていきたいという思いが強くあったんです。

JR西日本ではそういった挑戦をし続けるということを一番学んだのではないかと思います。

例えば、キャラクターがラッピングされた新幹線を見たことがありますか?

新幹線ラッピングとカンセンジャー
写真:柿本忠則県議提供

私もそのプロジェクトに参加しており、新幹線をラッピングしようと企画を進めていきましたが、当時はいろいろな部署でそれはできないと言われました。

そこで、ダメな理由は何なのかと都道府県の条例を調べたり、別の部署の方の知見も借りて、いろんな分野の人と一緒にこのプロジェクトを進め、みごとに実現しました。

今となってはエヴァンゲリオンやハローキティなどの有名なキャラクターとコラボし、新幹線全体をラッピングしていますが、最初は1m×2mのシールからスタートしたんです。

初めての取り組みに関わらせてもらった経験から、新しいことに挑戦する大切さや難しさ、楽しさを学びました。

あとは、自分が本当にやろうと思ったことは、根拠を持って少しずつ進めていく。様々な部署との調整や体力も必要ですが、自分で変化を生み出していく楽しさというのも面白いことだと感じていました。

現場では、上司からの指示や手順が書いてあるマニュアルはありますが、なぜそのように決められているのかをあまり理解していないこともあります。
また、逆にそういった規則が本当に正常な機能を果たしているのかということが分からなくなったりということもあります。

なので、検証して見直してみると、「こっちの方が良いのではないか」といった意見も出てきます。

お客様にサービスを提供することはステークホルダーとしての価値観ではありますが、社員にも同じことが言えると思います。

例えば、人事部や総務部といった部署に行くと、社員がお客様のような存在であり、社員の生活向上や関係を良好に保つといった仕事もあると思います。

そういった、どこかで困っている人たちに対し、お互いにwin-winな関係になるような提案を試行錯誤をしながらやっていました。

選挙に挑戦している最中でおこった豪雨災害

災害復興支援をする柿本忠則県議
平成30年に広島で大きな豪雨災害がありました。

議員を志し、活動を始めたのが同じ年の5月か6月くらいだったので、その約1か月後に災害が起きたんです。

今でも思い出しますが、街中で研修を終えた帰り際に「すごい雨だな」と思いながら車を運転していたところ、途中から全然車が動かなくなってしまいました。危機を感じ、家に着いてすぐに避難所に向かいました。

そのとき、すでに何十人もの人が避難しており、地域のご年配の方たちがこの避難所を支えていました。これはいけないと思い、自分も何かできることはないかと、夜中に支援物資を他の避難所に届けるなどの形で少し携わらせてもらいました。

当時、私の地域では約180人の方が避難所に来られました。行政の人が来るまでには時間がかかり、その間は地域の人で運営をしなければならないため、このような大規模災害では本当に人手が大切なのだと感じました。

当時は防災士というものが今よりも認知されておらず、避難所に逃げたから大丈夫みたいに思っていた人も多かったと思います。もちろん逃げることも大切ですが、みんなで協力するような体制作りが、あまりありませんでした。

その時に、やっぱり地域を守るために自分が役に立てることがあるのではないかと思いました。

ちょうど当時、広島市では防災士の育成を図る取り組みが行われていました。そこで、地域の防災士の方にその取り組みに参加できるよう推薦を頂き、防災士の資格を取得することができました。

私の住んでいる地域は、川の氾濫や土砂災害の恐れがあるところです。なので、やはり日頃からこういった災害時に備えておくということは、行政はもちろん、地域としても色々な目線で行っていくべきだと思います。

先の豪雨災害では、たまたま自分の住んでいる地域に死者は出ませんでしたが、同じ東区でも他の地域では亡くなった方もおられます。

災害自体を未然に防ぐことはできないかもしれません。ただ、防ぐことができるものに対しては、行動を起こしていきたいと、この災害を通して思いました。

広島に第三の矢を

広島に第三の矢を
東区は広島県の玄関口だと思います。でも、そのポテンシャルが活かせていません。

広島の観光のイメージはと聞くと、宮島と原爆ドームの2つがあげられます。原爆ドームを観たあと、そのままフェリーで宮島に行き、そこで観光が終わるとそのまま違う県に行ってしまう。そんな観光客の方も多くいらっしゃると多いと思います。

人がすごい溢れているように見えますが、日中の観光だけでは、実際のところ客単価としては低いんです。

広島にしかない、ここでしかできない経験ができる場所が何かもう1つあれば、広島での滞在時間が増え、ビジネスチャンスが生まれます。

広島駅の北口に面した地域は、新幹線口に近いため、いわば広島の玄関口となっているところです。以前はエキウラと呼ばれていましたが、県の玄関口でもある場所なので、エキキタという名前で呼ぶように変わっていっています。

広島の玄関口でもあるエキキタに、せっかくなら、オフィス街としてだけではなく、みんなが来て、集まって、楽しめるような施設や場所が良いのではないかと考えています。

みなさんは、例えばどんな場所が良いと思いますか?みなさんの声をたくさん聴きたいですし、一緒に考えていきたいです。

若い世代の人たちへ – 投票ってなんだろう

若い世代の人たちへ - 投票ってなんだろう
現在、投票ができるのは18歳以上となっています。しかし18歳当時の自分に当てはめて考えると、選挙に行かないという人の気持ちも分かります。

ライフステージに変化があるとき、つまりは人生の節目みたいなものがありますよね。

例えば、高校から大学に進学したり、就職や結婚をしたり、子どもができたり、親の介護が必要になったりと、節目のタイミングで自分自身の状態も変わるんです。

だからこそ人生は楽しいと思いますし、失敗や挫折など全てを含め人生なのだと思います。

そのときの状況によって、困ることや悩みには違いが出てくると思いますが、そんなときに行政の対応に疑問や不満を持つことだってあると思います。

若い人の中には、こういった疑問や不満があっても、現状について「これしかないんだ」という風に感じている人もいるんじゃないでしょうか。

しかし、そんな風に諦めるのではなく、もっと声を上げてほしいと思います。その声の上げ方は投票行動で自分たちの意思表示をすることではないかと僕は思います。

今、僕から見ても、政治に対する期待感が薄れてきていることを痛感します。選挙のたびに出る、あの掲示板を見て、「誰が議員になっても一緒だよ!」って思う人も当然いるでしょう。

地域の方にどれだけ訴えても、なかなか響かないところはあるんだろうけど、やっぱりそれでも日々の活動の中で自分自身というものを見せていくことしかできないんだろうなと思っています。

広島県議会で一般質問をする柿本忠則県議例えば街頭演説って選挙前にしかしないものというイメージを持っている方が多いと思います。

街頭に立って何をしているのかとも思われるかもしれませんが、実は、「困ってることがあるけん、あんたに相談するわ」と様々な相談を気軽にしてもらえるんです。

事務所のメールや電話もありますが、もっと気軽な形で相談できる窓口があるのだと、地域の方と接点を増やしたいとの思いで、今でも定期的に街頭へ立っています。コロナ禍では週末、スーパーマーケットの前で、街頭演説を行うこともありました。

大学生に向けて講演をする柿本忠則県議

投票に行くことは私たちに与えられた貴重な権利です。昔はお金持ちや権威がある人しか与えられていませんでした。でも今は、投票というものが当たり前になり過ぎてて特別感もないし、逆にウザイしめんどくさいと思っている人も中にはいるのではないでしょうか。

みなさんの一票は、大きな声になり、大きな変化を生み出せるはずなんです。

世界や歴史を振り返ってみると、政治が変わるときは、皆さんの大衆行動からスタートしていることが多くあります。そういう意味では、皆さんの厳しい目で政治家が何をやっているのか、何を訴えているかをチェックすることで政治にもっと緊張感が出ます。

しかし今、投票率を見てみると、ご年配の方の方が若者の投票率よりも遥かに多いのが現状です。政治も、やはりそちらの方に傾いてしまうのです。だからこそ、粘り強く投票という形で声を挙げることが大切だと考えます。

インタビュアーより

今回の柿本さんへのインタビューを通して、私がもし、柿本さんを漢字1文字で表すなら変化の「変」という漢字にします。

柿本さんは今回、広島に変化を生み出せないかと様々な考えをお話してくださいました。さらに魅力ある街にしていくための取り組み、災害などの緊急時における地域の体制整備などなど。これらはこれからの広島において化が求められている課題です。

その根底となっているのは、少しでも困っている人のお手伝いをしたいという、わらない信念ではないかと私は思います。

エキキタなどこれから生まれわる東区を期待に満ちた目で語ってくださった柿本さんは、聞いている私までわくわくさせてくださいました。

柿本さんのように私もこのインタビューや、Youth Vote! HIROSHIMAの記事を通して、誰かをわくわくさせるような、そんなクリエイターになりたいと思いました。

Youth Vote! HIROSHIMAのインタビュー

Youth Vote! HIROSHIMAでは、以下の2つの目的で政治や選挙の現場に携わる方々にインタビューを実施しています。

  • 政治・選挙の現場のリアルを伝えるため
  • 政治や選挙に対してのハードルを下げるため

詳細や実施方法、インタビュイー募集については、以下のページをご覧ください。
Youth Vote! HIROSHIMAのインタビューとは

また、他のインタビュー記事については以下をご覧ください!
インタビュー記事の一覧

この記事を書いた人

谷川知優

Youth Vote! HIROSHIMA クリエイター。広島叡啓大学に在学。大人のラインだと思っていた18歳になったものの、政治・選挙のことを全く知らない自分に焦り、調べてみるも理解出来ず。なんとなく開いたYouth Vote! HIROSHIMAに興味が湧き、メンバー募集に即応募。2023年1月から、同メディアのクリエイターに。
著者情報ページ

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谷川知優

Youth Vote! HIROSHIMA クリエイター。広島叡啓大学に在学。大人のラインだと思っていた18歳になったものの、政治・選挙のことを全く知らない自分に焦り、調べてみるも理解出来ず。なんとなく開いたYouth Vote! HIROSHIMAに興味が湧き、メンバー募集に即応募。2023年1月から、同メディアのクリエイターに。
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