広島では場合によっては同時に3つの選挙に投票することになる統一地方選挙。しかし、そもそも統一地方選挙とはどういう仕組みなのかわからないという人も多いのではないでしょうか。また、統一というなら全ての地方選挙を同時にしないのはなぜか、というのももっともな疑問です。
そこで、この記事では意外と知らない統一地方選挙について、由来や数字の分析、直近の広島での選挙などを解説していきます!
イラストベースで手軽に確認したい方は、Instagramでも一部を解説しているのでぜひご覧ください!
目次
統一地方選挙とはそもそもなに?
統一地方選挙について、説明できる人は意外と少ないですよね。そんな統一地方選挙の概要についてまずは解説していきます。
統一地方選挙とは
統一地方選挙とは、全国の地方公共団体(自治体)で複数の首長および地方議員の選挙を同時に行う選挙になります。
ちなみに、首長とは都道府県知事と市区町村長のことを指します。
なお、首長と地方議員は共に任期が4年で満了するため、統一地方選挙が行われるのは4年に1回です。
その年の3月1日から5月31日までに任期満了を迎える選挙を対象に、基本的に4月に以下の2回に分けての投票となります。
直近の情報として、2023年の統一地方選挙は以下の日程となっています。
統一地方選挙はなぜ行われるのか?
統一地方選挙が行われる理由として、以下の2つのメリットが挙げられます。
まず、1つめのメリットが自治体が選挙にかけるコストの削減です。選挙のたびに多くの予算や人員・事務作業が必要となるため、まとめて実施することでコストを抑えることにつながります。
続いて2つ目のメリットが、有権者が選挙を認知しやすいという点です。全国的にたくさんの選挙が同時に行われることで、報道やSNSも含めて選挙に触れる機会が多くなり、有権者が選挙を認知しやすいとされています。
統一地方選挙の歴史
統一地方選挙の始まりは、昭和22年に遡ります。この年の4月に、戦後初めての地方選挙が全国で一斉に行われました。
その後、地方選挙はすべて任期が4年であり、一度にまとめて実施したほうが経費も抑えられ有権者もわかりやすいということで、昭和26年にも特例法を施行して全国で一斉に選挙が行われました。
統一地方選挙については、毎回特例法に基づいて実施されています。令和5年の統一地方選挙も例に漏れず、令和4年11月に特例法が施行されているので、実際に条文が見たいという人はぜひ見てみてください。
参考:地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律 | e-Gov法令検索
しかし、辞職による補欠選挙や解散による選挙といった任期満了前の選挙であったり、市町村合併などの影響で、統一地方選挙となる自治体は年々減少しています。詳しくは、次の項目で統一率の推移としてご紹介しているので参考にしてみてください。
数字で見る統一地方選挙【統一率と投票率】
統一地方選挙の過去と現在について、データで確認してみましょう。今回は、統一率と投票率という2つの指標を分析していきます。
統一率の現状と推移
統一率とは、現在全国で行われる地方選挙において、統一地方選挙として行われるものの割合を示す指標となります。
以下のグラフは、昭和22年に行われた第一回統一地方選挙から平成31年に行われた前回の統一地方選挙までの統一率の推移を表したものです。
このグラフから、初回こそ統一率が100%ではあったものの、前回行われた平成31年の統一地方選挙では27.46%と4分の1程度しか実施されていないことがわかります。
そのため、統一地方選挙という名前ではありますが、実際にはそこまで全国的に統一されているわけではない、というのが現状です。
統一率を上げるためには、現在統一地方選挙ではない選挙の時期を解散もしくは辞職などによって合わせる必要があるため、あまり現実的ではありません。そのため、このまま横ばいもしくは低下すると見込まれています。
統一地方選挙の投票率の推移
続いては、統一地方選挙における投票率の推移を見ていきましょう。
以下のグラフは、統一地方選挙の第一回から前回までの投票率の推移を示したものです。なお、統一地方選挙では複数の選挙が同時に行われるため、都道府県議会議員、都道府県知事、市区町村議会議員、市区町村長の4種に分けてデータ化しています。政令指定都市は市区町村に含めています。
このグラフを見ると、多少の上下はあるものの、年々投票率は下落傾向にあることがわかります。
特に地方議会では、選挙区が細分化されている上に定数も多く、投票率が低い状態では組織票の影響力が非常に大きくなります。
投票率が50%を下回る現状では、投票に行っていない人が特定の候補者に票を集めることで、地方議会の顔ぶれを一変させることも可能だとも見ることができますね。
広島での統一地方選挙2023はどこ?トリプル選挙の地域も
ここで、直近に迫る統一地方選挙2023について、広島で行われる選挙をおさらいしていきましょう。実は、住んでいる地域によっては一度に3つの選挙に投票できる場合もあるんです!
詳細については、以下の記事で随時情報を更新しているのでぜひ覗いてみてください!
4月9日が投票日の前半戦で行われる選挙
4月9日の日曜日が投票日となる前半の選挙では、前述の通り全国的に以下の選挙が対象となっています。
広島では、以下の3つの選挙が行われます。
このうち、広島市長選挙は3月26日の日曜日が告示日となり、ひと足早く選挙が始まります。また、広島県議会議員と広島市議会議員の選挙は3月31日の金曜日が告示日となっています。
そのため、広島市内に住んでいる人は3月9日にこの3つの選挙全ての投票ができるトリプル選挙となるんですね!
4月23日が投票日の後半戦で行われる選挙
続いて、4月23日の日曜日が投票日となる後半の選挙では、全国的に前半に行われなかった以下の選挙が対象となっています。
広島では、以下の8つの選挙が実施されます。
このうち、市議会議員と市長の選挙については選挙期間が7日間のため4月16日の日曜日から4月22日の土曜日まで、町議会議員と町長の選挙については選挙期間が5日のため4月18日の火曜日から4月22日の土曜日までが選挙期間となっています。
統一地方選挙の投票方法は?期日前投票など3種を解説
そんな統一地方選挙の投票はどうすればいいのでしょうか?今回は、おそらくほとんどの人が該当するであろう以下の3種類の投票方法をご紹介します。
それでは一緒に見ていきましょう。
当日投票
まずは、いわゆる「普通の投票」である当日投票についてです。
前半の選挙は4月9日の日曜日、後半の選挙は4月23日の日曜日の投票日に、所定の投票所で投票することになります。
投票所については自宅に届く投票券のハガキに記載があるため、このハガキを持参しましょう。
なお、手ぶらでも投票はできますが、決められた投票所でしか投票ができないので注意が必要です。
期日前投票
投票日に投票所に行けない、という人におすすめの投票方法が期日前投票です。
各選挙の告示日の翌日(選挙期間の2日目)から投票日の前日まで、各選挙区内に設置される期日前投票所で投票ができます。
期日前投票も手ぶらで投票ができる上、選挙区内の期日前投票所であればどこに行っても大丈夫です。
なお、期日前投票は選挙区内でしかできないため、選挙区外から投票がしたい場合は次の不在者投票を検討してみてください。
期日前投票については以下の記事で詳しく解説しているので、期日前投票を視野に入れている人はぜひ読んでみてください!
手ぶらでも行ける期日前投票とは?期間や手続きをわかりやすく解説
不在者投票
3つ目の不在者投票は、選挙期間に選挙区にいない場合の投票方法です。
その時にいる場所の選挙管理委員会で申請を行い、書類を受け取って必要事項を記入し提出することで、選挙区の外にいても投票が可能です。
不在者投票の手続きは少し複雑ですが、以下の記事で詳しくわかりやすく解説しているので、不在者投票を参考にしている人は参考にしてみてはいかがでしょうか。
4年に1度の複数選挙の大規模同時開催!ぜひ確認を
複数の選挙を全国的に同時に行う統一地方選挙。4年に1回のまさに選挙イヤーですね。
広島県に住んでいる人は無投票にならなければ必ず1つ以上の選挙が行われるので、ぜひあなたの住む地域で行われる選挙を確認してみてください!
もしも他にも何か知りたいことがあればぜひコメントをSNSやコンタクトフォームからお寄せください!
統一地方選挙とは、4年に一度4月に行われる、全国の地方自治体の首長・議員の一斉選挙です。 都道府県と政令指定都市が対象の前半と、市区町村が対象の後半に分けて実施されます。 その年の3月から5月に任期満了を迎える選挙が対象で、令和5年には地方自治体の選挙のうちおよそ27%が統一地方選挙として行われます。 広島では、前半と後半合わせて最大で11の選挙が予定されています。 4月9日の日曜日が投票日の前半戦は、広島市長と広島県議会議員、広島市議会議員の選挙が実施予定で、広島市内ではトリプル選挙となっています。 また、4月23日の日曜日が投票日の後半戦は、尾道市と三次市の市長、呉市と尾道市と東広島市の市議会議員、大崎上島町長、熊野町と坂町の町議会議員の選挙が実施予定です。 統一地方選挙では、候補者名で投票を行います。 他の選挙と同じく、投票日投票所で行う当日投票、選挙期間中に行なう期日前投票、選挙区外から投票できる不在者投票などが活用できます。よくある質問
統一地方選挙ってなに?
広島で行われる統一地方選挙は?
統一地方選挙の投票方法は?