衆議院の解散や選挙区再編など、最近広島では選挙区に関する話題が多いですね!しかし、自分の住んでいる地域がどこの選挙区で誰が当選しているのかも、よくわからないという人も意外と多いのでは?
実は第100代総理大臣の岸田文雄氏も、広島の選挙区で選出された衆議院議員なんですが、どこの選挙区なのかピンとこない人も多いかも。
そこでこの記事では、広島県の選挙区割りについて解説します。2022年11月18日には改正公職選挙法が国会で可決されたため、2024年10月の衆議院選挙から始まる新しい選挙区割を確認したいという方にもおすすめです!
なお、そもそも選挙区ってどういう制度なの?という人は、以下の記事で簡単に解説しているのでぜひ参考にしてみてください!
目次
広島の小選挙区割りとは?【衆議院選挙2024から変更】
広島県では、2024年10月27日に投開票となった衆議院議員選挙から、小選挙区が1つ減る形で選曲が再編されます。再編後と再編前を比較する形で確認していきましょう。
2024年10月の衆議院選挙から適用される広島の選挙区割り
まずは、2024年10月27日投開票の衆議院議員選挙から新しく適用される、広島県の衆議院小選挙区割りについて見ていきましょう。
以下の表が、新しくなった選挙区割りをまとめたものになります。
1区 |
広島市(中区・東区・南区)・安芸郡(府中町・海田町・坂町) |
---|---|
2区 |
広島市(西区・佐伯区)・大竹市・廿日市市 |
3区 |
広島市(安佐南区・安佐北区・安芸区)・安芸高田市・山県郡(安芸太田町・北広島町) |
4区 |
呉市・竹原市・東広島市・江田島市・安芸郡(熊野町)・豊田郡(大崎上島町) |
5区 |
三原市・尾道市・府中市・三次市・庄原市・世羅郡(世羅町)・神石郡(神石高原町) |
6区 |
福山市 |
この2023年以降の選挙区割りを地図に示したものが以下の画像です。
2022年以前の選挙区割りから変わった点としては、東広島市や安芸郡などからなる旧広島4区が解体され、他の選挙区に統合されています。また、江田島市が全て新たな4区に入るほか、現在市内で選挙区が分断されている三原市・尾道市も市全域が同じ選挙区になるよう改善されました。
2022年以前の広島県の小選挙区割り
再編前の広島県の小選挙区割りは以下の通りです。選挙区の数が1つ減少したことになりますね。
1区 |
広島市(中区・東区・南区) |
---|---|
2区 |
広島市(西区・佐伯区)・大竹市・廿日市市・江田島市(江田島町を除く) |
3区 |
広島市(安佐南区・安佐北区)・安芸高田市・山県郡(安芸太田町・北広島町) |
4区 |
広島市(安芸区)・三原市(大和町)・東広島市(安芸津町を除く)・安芸郡(府中町・海田町・熊野町・坂町) |
5区 |
呉市・竹原市・三原市(本郷町)・尾道市(瀬戸田町)・東広島市(安芸津町)・江田島市(江田島町)・豊田郡(大崎上島町) |
6区 |
三原市(大和町と本郷町を除く)・尾道市(瀬戸田町を除く)・府中市・三次市・庄原市・世羅郡(世羅町)・神石郡(神石高原町) |
7区 |
福山市 |
この2022年以前の選挙区割りを地図に示したものが以下の画像です。
2022年以前の広島の選挙区割りについては、以下のInstgaram投稿で以前紹介しています。イラストで見たいという人はぜひご覧ください。
選挙区が1つ減ることで、あなたの投票先にも影響が?
選挙区再編が行われた時点では、2021年に行われた衆議院選挙の結果、旧広島6区を除く6つの選挙区で自民党が、旧広島6区では立憲民主党が議席を獲得しています。
そのため、選挙区の再編に伴い、自民党内では、旧広島4区選出の新谷正義氏が比例代表の中国ブロックに転出し、旧広島5区選出の寺田稔氏が新広島4区で立候補する形で、候補者の調整を行うと発表されています。
なお、一部ではこの候補者調整には、コスタリカ方式と呼ばれる手法が取られるのではないかと言う声も上がっています。
コスタリカ方式とは、選挙のたびに2人の候補者が交代で、比例ブロックと小選挙区に交代で立候補するという候補者調整の手法です。
コスタリカ方式の詳細やメリット・デメリットについては、以下の記事でわかりやすく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
コスタリカ方式とは?広島での採用やメリットデメリットと由来も解説
なお、実際にコスタリカ方式が導入されるのかについては、寺田氏は否定、新谷氏は肯定する姿勢を示しており、今後どうなるのか注目となります。
参議院議員選挙には影響がないの?
おなじく国政選挙の参議院議員選挙については広島県全体で1つの選挙区となっています。
そのため、選挙区の再編などは行われていません。
広島は比例代表制ではどこの選挙区?定数は変わるの?
続いては、比例代表制において広島はどこの選挙区に属するのかを見ていきましょう。ちなみに、比例代表では選挙区という表現ではなくブロックという区分に分かれています。
まず、衆議院選挙についてですが、広島県全域が中国ブロックに属しています。中国ブロックは他に岡山県と山口県、鳥取県と島根県を含めた中国地方で形成されています。
衆議院選挙の中国ブロックは2023年から定数が10議席となっており、衆議院小選挙区と同じく1議席減少しています。
この比例代表の10議席は、中国ブロックにおける比例投票での各政党の得票数に基づいて、各政党に分配されます。各政党は中国ブロックの比例名簿を作成し、名簿の上位から順に当選する方式です。
比例代表制での議席の割り振り方については、以下の記事でわかりやすく解説しているので是非参考にしてみてください。
比例代表制と選挙区制の違いをわかりやすく解説
続いて参議院選挙についてですが、参議院では全国比例での投票となっており、地域に関係なく全国の候補者もしくは政党に投票する形になります。
なぜ選挙区再編をするの?10増10減がキーワード
広島の選挙区割りが再編されるのは、選挙区割りにアダムズ方式という計算方法が導入されるためです。アダムズ方式とは、人口に応じて選挙区(議席)を割り振る計算方法となります。詳しく知りたい人は、以下の記事で特徴や計算例などを解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
アダムズ方式とは?計算方法やメリットデメリットをわかりやすく解説
2022年11月18日の参議院本会議で改正公職選挙法が可決されてから、アダムズ方式は徐々に導入されていく予定です。2023年からの選挙区再編は、広島含む全国で2020年の国勢調査の人口をもとにしており、選挙区が新しく10区追加されて、既存の選挙区が10区減るので10増10減と呼ばれています。
このアダムズ方式が導入されるのは、1票の格差を是正することが目的となっています。
1票の格差とは、選挙区ごとの人口の違いによって、1議席当たりの有権者数が選挙区ごとに異なる事を指します。1票の格差がある状態では、ある選挙区では他の選挙区より得票数が少なくても当選できる、といった事態が起こります。
1票の格差については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひご覧ください!
1票の格差とは?問題点や解決策、広島への影響も解説
あなたの住む地域はどこの選挙区?
広島の選挙区割りと、選挙区再編の経緯について見てきました。あなたが住む選挙区がどこなのか、把握できましたでしょうか?
選挙区の再編があったので、該当地域に住んでいる方は間違えないようにぜひご注意ください!
もしも他にも何か知りたいことがあればぜひコメントをSNSやコンタクトフォームからお寄せください!
よくある質問
広島の衆議院小選挙区割りは?
広島の小選挙区は2024年10月27日投開票の衆議院議員選挙から、6つに再編されています。
これは、2022年11月18日の国会で改正公職選挙法が可決されたことをうけての変更で、2022年以前の7選挙区から1つ減ったという結果になります。
なぜ広島の選挙区が変わったの?
人口の変化に伴い、1票の格差を是正するためにアダムズ方式という計算方法が導入されました。
これに伴い、2020年の国勢調査をもとに広島県内の人口の変化を選挙区割りに反映するため、選挙区の再編が行われました。